バラフを使った加工食品について
バラフを原料として使った加工食品の開発
農産品の栽培・流通を行う上で、加工食品の存在は大変重要です。余剰な農産品を市場に流通しなくてすむため、農産品価格の安定化に寄与し、保存性を高めることができます。更に素材の持つ資質を活かした有用な加工品を開発する事により、ブランド性の向上にもつながります。農研堂は「アイスプラント」という植物を単に野菜というだけでなく「素材」と捉え、様々な事業者様と協力しながら、積極的に加工食品の開発を行っていきます。
バラフの加工原料について
バラフの加工原料には現在、2種類あります。一つは「冷凍ピューレ」もう一つは「乾燥野菜」です。それぞれ様々な食品原料として利用されていますが、特に後者の「乾燥野菜」は特に素材として下記に示すような特質を有しており、今後、様々な食品開発が期待されます。
「乾燥バラフ」について
野菜の塩!?
バラフは約98%が水分で、1kgの野菜を乾燥させると約20gの乾燥品を得る事ができます。乾燥させた粉末の内、約40%がミネラル分にあたり、食べるとそのまま「塩味」がします。それを商品にしたのが「乾燥バラフ」です。「海の塩」や「岩塩」など塩にもいろいろありますが、野菜由来の塩という意味で「野菜の塩」と表現できるでしょう。
ミネラルバランス
「乾燥バラフ」を本物の塩と比較すると、ミネラルバランスが全く異なることがわかります。「精製塩」は基本的にそのほとんどがNaCl、塩化ナトリウムです。海の塩が精製塩にくらべ、ナトリウム以外ののミネラル構成比が多いと言ってもたかだか数%です。しかしながら、「野菜の塩」である「乾燥バラフ」はなんと「ナトリウム:カリウム:カルシウム:マグネシウム:リン」の構成比が「360:480:30:18:45」となり注)、ナトリウムよりカリウムが多く、相対的にナトリウムに対する他のミネラルの割合が他の天然塩より高くなります。
注)生の野菜に含まれるミネラル含有量の構成比と同じと考えた場合。
見える塩?
「乾燥バラフ」はもちろん、乾燥野菜ですので、緑色をしています。それで、なにか加工品を作るときに原料に混ぜると「塩の在処」がわかるのです。まさに「見える塩」なのです!
部分的な塩味!!
乾燥バラフに含まれるミネラル分は、細胞内に閉じ込められた状態にあります。だから、なにかの原料に混ぜた場合材料の中にミネラル分が溶け込みにくい状態にあります。それで、この性質を利用すると食品のある部分にだけ「塩味」をつけることが可能になるのです。
原材料は「アイスプラント」
もし、乾燥バラフを加工食品の原料に使った場合、原材料表示すると「アイスプラント」になります。つまり、原材料に「塩」とかかずに「塩味」をつけることができますね。